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2019-04

マレイ・ペライア ピアノリサイタル2011 - 2011.11.06 Sun

11月5日(土)、サントリーホールでのペライアのリサイタルへ行ってきました。ペライアを生で聴くのは2度目です。

バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV.816
Bach: French Suite No.5 in G Major, BWV.816
ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 Op.90
Beethoven: Sonata No.27 in E minor, Op.90
ブラームス:4つの小品 Op.119
Brahms: Klavierstücke, Op.119

シューマン:子供の情景 Op.15
Schumann: Kinderszenen Op.15
ショパン:24の前奏曲より 第8番 嬰ヘ短調 Op.28
Chopin: Prelude Op.28 No.8 in F sharp minor
ショパン:マズルカ 第21番 嬰ハ短調 Op.30-4
Chopin: Mazurka Op.30 No.4 C sharp minor
ショパン:スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
Chopin: Scherzo No.3 in C sharp minor

ペライアを知ったのは学生の頃、色々な曲の抜粋が収められたプロモーション用のミニCD(当時そんなものがあった!)をお店でもらって聴いたのが初めてでした。特にシューマンのダヴィッド同盟舞曲集が素晴らしくて、このCDを速攻買いました。そこからベートーヴェンのコンチェルト4番、ショパンの2番コンチェルト、バッハ、メンデルスゾーン、ルプーとのモーツァルト&シューベルトのデュオetc・・・ペライアのCDが増えていくのに時間はかかりませんでした。

そして前回、初めて聴いたペライアのリサイタル・・・どこでいつ聴いたか、プログラムが何だったかも思い出せないのです。CD聴き込んでいたアーティストだけに期待大で行ったら、う~ん、CDの方が何倍も良かった。何度もペライアのリサイタルへ行っている友人に話したら「時々あるよ。最高の瞬間をくれることもあれば、?という時もあった。」とのこと。やっぱりペライアだって人間だし調子だってある。またのチャンスに!と思っていました。その後、指の故障などで日本公演はなかなかなくて今回の来日。胸が高まります。名古屋と東京の2箇所のみの公演。

今回、バッハのフランス組曲が始まったとたん、自分の身体の細胞が喜んでいるのがすぐにわかりました。誰もいない空気の澄んだ明け方の湖畔から、今日1日が生まれる出すようなフレッシュな響き。これぞ、theペライアの音!曲間で咳ひとつすることさえはばかられるような、会場の何千と言う耳がひたすらペライアの音を求める瞬間があり、あ~こういう演奏会って久々かも、と思いました。ペライアの音で特にしびれるのが高音域の輝きと弱音。高音域は生まれたばかりの星屑たちが笑っているようなチャーミングさ。弱音はこの瞬間にいられるだけで感謝したくなる、そんな気持ちにさせてくれます。何度も自分を失いそうになる「たまらない」時間がありました。

前半のドイツ3大Bが終わった時、これで私帰ってもいいです・・・という位満足でした。シューマンもペライアの得意な小品曲集でセンス抜群の歌と響きだったのですが、前半ほど音のツボどころがピタッと私の耳にこなくなってきていました。素晴らしいには違いないのだけれど、前半で知ってしまったあの極上の響きからすると・・・それはショパンでも感じることになりました。あの奇跡の弱音は、コントロールと耳の集中力の極地のような所で作られているはず。ほんの少しの疲労やタイミングで、出せるか出せないか、そういうレヴェルの音であるのではないか。まるで高性能のスポーツカーのように、ハンドルのわずかの操作をいかに操るか・・・ペライアの音はそういうギリギリの所で創造されている美のように思えました。

3曲のアンコール。ショパンのエチュードからOp.10-3,4と、シューベルトのアンプロンプチュOp.90-2でした。別れの曲(Op.10-3)はナショナルエディション版で弾いていたようです。うわ~、初めてライヴで聴いたかも。私の耳はパデレフスキ版で慣れてしまっているので、とても斬新な響きに聴こえました。生徒に弾かせるのは勇気がいる音ですが、自分の本番ではいつかチャンスがあれば弾いてみたいな。シューベルトは、もうただただ感謝。正直Op.10-4で終わるのかな~、このリサイタルの締めくくりにしては・・・なんて思っていたのですが、ここで来てくれたシューベルト!最後にペライアの美音と流れる波のような美しいフォルムを堪能して終演。

このリサイタルを聴いて、私が前回なぜペライアの音に会えなかったのか、わかったような気がしました。彼のセンサーは本当にデリケートなのだということ。そしてそのセンサーがピタリと合ったときに、極上の世界へ連れて行ってくれるということ。ペライアのような繊細さって、やっぱりペライアでしか聴けない!!ということを、身体に耳に刻ませてくれたコンサートでした。

● COMMENT ●

マレイ・ペライラに、にわかに興味は湧いていたのです。

そういうことってあると思います。コンディションがピタリと合ったり合わなかったり。

だから、ピアニストの演奏ってそれはそれは大変なんだと思っています。

ペライアのリサイタル

こんばんは。
僕も昨日行きました。
この記事を読んで
やはり自分と同じ思いを抱かれてた方がいらっしゃったんだって、ホっとしました。
神業的な前半に比べ、後半は
若干違ってた気がして、
でもお客さんは大喜びだし、
なぜ?って思ってました。

しかし、あのシューベルトを聴いて、
やはりペライアのようなクラスの人も
「ある程度」と「ある程度」を超えるのは難しいんだなと思いました。

Re: masakichiさま

本当にライヴ演奏ってナマモノですよね。
ぜひペライア、次回行ってみてください!
あのフレッシュな音楽、私もまた聴きに行きたいです。

Re: ふじしゅうさま

聴く人によって様々な反応があるのが、また面白いですよね。
私も拍手の多さと違うこと思っていること、けっこうあります(笑)

ペライアのようなタイプの演奏家は、本当にナイーヴなんだろうなと思います。
本当ならもっと小さな箱でリラックスした雰囲気で弾きたいんじゃないかな、と思ってみたり。
でも多くの聴衆が彼の音楽を求めるので、そうはいかないのが現実でしょうか。

美を引き出すための環境、コンディションというものが、ミリ単位で影響するようなピアニストのように感じました。
また来日してくれるといいですね!


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